短編小説
□姫君にキス
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「ねぇ〜風丸」
「なんだよ」
「綺麗。すっごく美人」
な!風丸が声を張り上げる相手はお構いなし大胆帰国子女・一之瀬一哉。
アメリカ育ちだったためか彼の言動には躊躇いという物が無い。
顔が赤い風丸に対して彼はただニッコリ微笑むだけ。
「全く…お前には参るよ」
「そう?言いたいこと言ってるだけなんだけどね…あ、ほらハンバーガー冷めちゃうよ」
すっかり忘れていた。
今日は一之瀬と遊びに来ていたんだっけ。
まぁ…普通の遊びとは違うかも…。
「風丸。ソース付いてる」
「え?ああ……あ゛!!?」
奇声を上げたと思えば、
彼の頬を一之瀬がぺロリと舐めたのだ。
当然、羞恥に襲われる。
「い、いいい一之瀬!オ、オレ達男同士なんだぞ!へ、変だろ!」
クス、と一之瀬が吹き出す。
「大丈夫。君は女の子みたい、いや、それ以上に綺麗だからそうは見えない」
「……褒めてんのか貶してんのか」
「褒めてるに決まってるじゃん」
「……どうも」
はぁ、とため息をついて風丸はハンバーガーを再び食べだした。
彼らは恋仲だ。
かく言う風丸は人気が異性からも同性からも人気があった。
その風丸を見事手に入れたのが一之瀬、という訳だ。
日本代表とアメリカ代表と国境を越えても今再びライオコット島で巡り合ったのだ。
だから、本日は久々の『デート』である。
2人だけの会話を楽しんでいた。
しかし
2人のチームメイトは当然、1人だけで何処に出かけたんだろう、という疑問を抱く訳で……。
「ドド、ドモン!何あれ!」
「ワーオ…イチノセの彼女?」
「ディラン…マーク…。いや、あれは何て言うか…あれはおと」
「あ!顔見えたヨ!」
「え…イ、イチノセ!」
「超プリティジャン!だからミー達に内緒で出かけた訳?許せないヨ!ね、マークっっ!」
「まったくだね」
「いや、だから…」
騒ぎ立てるアメリカ代表、ディラン、マークを他所に土門は少し、笑った。
「(一之瀬…よかったな。風丸とまた逢えて……。にしても、ホント、また美人になったな、風丸。惜しかった…か?)」
クックック、と懐かし笑いを彼が抑えていると先程まで隣に居た2人が居ない。
「マーク?ディラ……って!!」
2人は店内に侵入直前だった。
だが、土門のブロックにより侵入を止められた。
「なにすんだよー!」
「離してヨ!ミーもお近づきになりたい!」
「駄目だ!せっかく2人きりなんだから、ゆっくりさせてやってやれって!」
「ドモンの裏切り者!」
「バカーーー!!」
「分かった、分かったから!」
土門がマーク、ディランを必死に止め終え、チラっと2人がデートをしている店内を覗いた時だった。
「な〜に〜し〜て〜る〜ん〜だ〜……」
「あ…円、堂…。そ、それに豪炎寺に鬼道も…」
ゴゴゴゴ…と3人からは真っ黒なオーラが見えた。
「え…円堂達……!」
土門はがっくりしながら2人を掴んで居た手を離した。
「もう…いいや…」
この後デートが強制終了となったのは言うまでも無い。
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リクエスト
「一風←マーク・ディラン」
でした!
いやぁ。
頭が回らない!
そもそもなんか×っぽくない!
なんか+感が否めない!
お粗末っしたぁ!