短編小説

□奥手な君
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『世界一奥手な君へ』




暖かな陽射しが窓に入り込む。
朝露と雀の歌声と共に。



「ん……ん…」

綺麗な顔をした、少年がそれらに釣られて目を覚ます。



その少年の隣には
彼の愛する人物が。


「…………」

鬼道、なんだよ。
結局何もしないでさ。
本当に一緒に寝ただけだな!
もうっ!



風丸は寝ている鬼道を軽く、叩いた。

「……なんだ、風丸」

「あれ?起きてたのか?」

「ああ」

「へぇ。オレ結構起きるの早いのに。あ、ほら、ランニングするからさ。だから鬼道凄いな〜」

「フッ。どうも」


会話にピリオドが落ちると鬼道はコテン、と寝返りを打って風丸から目を離す。

風丸はそれを見て膨れっ面をし、座っていたベッドから立ち上がる。


「〜!なんだよっ鬼道っ!」

「何だ?」

「こんなの付き合ってるって言わない!バカ、バカバカ!」

目を潤しながら風丸は寝室から出ていってしまった。



鬼道はゆっくりと起き上がり、はぁ、とため息を吐いた。


「…一睡も出来なかった…」

今でもまだドキドキする。

くそっ。
寝顔可愛すぎなんだよ。
寝てる時くっつくなよ。
…我慢してるんだから!



「堪えきれなくなるだろ…バカはそっちだ」



お前を大切にしたいんだから。


なんて。





ただ勇気が出ないだけだが。

今は一緒に居るのが精一杯さ。






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リクエスト

付き合いたての鬼風



………ヽ(・∀・)ノ
ナンダコレー!

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