うた
□ひかり
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さっきまで明るく、暖かい幸せな世界が
一変して
静寂な世界が姿を表す。
別に怖い訳でも
不愉快な訳でも無いが
とても不思議な気持ち。
ただ一歩踏み出しただけで、こんな理想に出会えるのだ。
なんと安上がりだろう。
最近、小さな幸せすら見逃がしてばかりだった…
だから今の私にとって
これは、今一番の幸せな出来事である。
上を見上げると
昼間とは違う風景が、視界全体に広がる。
雲は恐ろしい程姿を変えていた。
―綿飴の様にふわふわした昼間の雲。
―神秘的、何故か心惹かれる夜の雲。
雲の隙間からは
冬だからか、星がいつも以上に瞬いていた。
口から吐かれる白い息は、段々と上に登り、やがて見えなくなった。