Cercare
□聞きたいんだ(side,綱)
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次の日。
どうしても学校に行きたくなくて、つーか仁菜に会いたくなくて、……いや会いたいんだけどね!?顔会わせづらいっつーかなんつーか。
とりあえず学校サボる気満々だった俺に、リボーンは容赦なく銃を突きつけた。
仕方がなく登校する。
獄寺くんや山本におはようと挨拶をされるけど、正直、今彼らに構っている余裕はない。
仁菜にあったときのシミュレーションを脳内で試行錯誤中なのだ。
まずは謝るべきか、それとも冗談だと笑い飛ばすか、何事も無かったように接するべきか。
考えてもベストな選択が思い付かない。
ああもう!どうしたらいいんだよ!!!!
頭を抱え、心のなかで叫んでいたら、不意に頭上から声がした。
その声の主が、今俺を悩ませている張本人だと気付き、恐る恐る顔を上げた。
『おはよう、ございます』
「お、おはよう仁菜…」
2人ともなんかギクシャクしてて、会話も弾まない。
しばらく沈黙する。
『………あの、』
少しすると仁菜はおずおずと俺に話しかけた。
『ひとつ、聞きたいことがあるんです』
そう言い終えた時の仁菜はもう俺の目をまっすぐに見つめていた。
『、ツナさんの好きな人は誰ですか』
目を見開いてしまった。
突然、何を言い出すんだこの子は。
『京子ですか?ハルですか?それともクロームちゃん?』
俺の喋る暇なんて与えてくれない。
『私っ、もうわかんないんです
昨日のツナさん、………あれじゃあまるで…!』
仁菜の言いたいことがわかった。
「"俺が仁菜を好きみたい"?」
『っ、!!』
今度は仁菜が目を見開く番。
「聞かせて」
怖い、ホントは。
「仁菜は、俺の事、どう思ってるの…?」
こんな事聞くの、ホントはすごく怖い。
でも、
「俺は!……俺は、仁菜が好きだよ」
聞きたいから。知りたいから。
仁菜の気持ち。
だから、
「聞かせて」
To be continued.