この雪を溶かせたら

□この気温でその格好って…
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「行ってこいジュゴン!!」



「ピカチュウ、頼む」



バトルが始まる


「っし、れいとうビーム!」



「かわせピカチュウ!」


ああ、なんでだろう



「うわ、おっしいなぁ…」



あられが肌に当たって痛いのに



「まだ甘いね、チャンピオンさん?」




薄着ですごく寒いのに



「リーグしか知らないチャンピオンさんに負ける気はしないがね!」



燃えるように熱い



「ジュゴン!ラスト!」



この感じがたまらないんだ



「お疲れ様、ピカチュウ…」



こんなに楽しいバトルがまたできるなんて



「こんなんじゃ何のための山籠もりかわかんないね!」



全く思ってなかったんだ



「まだだよ」



この大雪を溶かすような、熱いバトルを



「ジュゴン!?麻痺…ピカチュウの特性か…?」



「さあ、続けよう」



「いきなりお喋りだなぁ、お前さぁ。油断すんなよヒノアラシ!」



あいつが嬉しそうに、楽しそうにバトルする姿が



まるで昔の俺みたいで



「行けラプラス!」



帽子を抑える



にやけが収まらない



「…お前のそんな表情初めて見たよ」


 
「………そう?」



なんでこんなに体が震え上がるんだろう



「うん、びっくりだ」



「ラプラス、なみのりだ!」



「え、待てそれ俺に被害…っあああああ!!?」



全く発してなかった声を張り上げてまで



信じる仲間達と本気で戦える喜びで



この上なく満足だった



「続けてみずのはどう!」



「っ…!?ヒノアラシ!!」



本当にこいつは強いよ



これが16個の実力なんだろうか



「戻れ!ヒノアラシ!」



「カビゴン、一気に行くぞ!」



「無茶はすんなよ!ラフレシア!」



バトルすることで楽しむことが自己満足というならそれでいい



この吹雪の中で、この時だけを待ってたんだから



「ねむりごなだ!」



「カビゴン、いびき!」



もっともっと高みを目指したい



希望に満ちる目は、ああいう目なんだろうな



「…!!ラフレシア!!」



「しまっ…!?」



例え吹雪が止んで



突然日照りが照らしてきたって



それがバトルの舞台になる



「ソーラービーム!!」




何が起こるかわからないから、ワクワクするんだ







 
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