†紅蓮†

□えぇっ!?A
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―麗の背が小さくなって2日目―



「俺、いつまでちっちゃいままなんだろう…」
俯いた麗の目には涙が溜まっている。
「可愛いからいいやん」
と言いながら葵は麗を膝に抱き上げた。
「だって、不便過ぎる…」



昨日は事務所からそのまま葵の家に泊まったのだった。



俯く麗の頭を撫でながら
「よし、今日は買い物でも行くか」
「は?」
「パパが可愛い服買ってあげるよ〜」
「アホか…」
「そうと決まれば、行く準備するで」
「おいっ!話が噛み合ってないんだけど?」
「ん?何が?」
「勝手にしろっ(このロリコン…)」



店員『可愛い娘さんですね』
「ちょっ!!ちがっ…んーっ!!」
「せやろ?めっちゃ自慢の娘やねん」
麗の口を塞ぎながらちゃっかりパパ面。
『おいくつですか?』
麗に向かって店員が聞く。
「えっ…(いきなり聞かれても…)」
取り合えず、葵の後ろに隠れた。
「人見知りなもんで…(苦笑)小学校1年生です」
すっかり、パパ面が身に付いた葵が答えた。
『恥ずかしがり屋さんですね』
麗の顔を見ながら微笑む。
「えっと…あの…っ……(あのやろう)」
「じゃあ、麗行こうか…?」
葵は店員に一礼をして麗の手を取った。



そのまま2人は葵の家に帰るために駐車場へ向かった。
「お前、何が゛自慢の娘やねん゛だよっ」
葵の手を振り払う。
「えっ?あぁ。嬉しかった?」
「……………」
キッと葵を睨んで助席に乗り込んだ。
「そんな顔するなて…俺も辛いんだって」
そう言いながら麗の頭に手をまわした。
「んだよ……」
「やっぱ、やめた」
「へ!?」
思わず間抜け声。
「家に帰ろうか。続きは元のサイズに戻った時に…」
「じゃあ、一生ちっちゃいままでいいや」
「……っ!!そしたら、俺死んでまうやん(泣)」
「焦り過ぎ(笑)」
「あ、やっと笑った」
「ん?」
「お前、こんなことになってから膨れっ面ばかりやったやろ?」
「だって…」
「あかんよ、麗には笑顔でいて欲しいんや…」
頭をポンって撫でられた。
「なんか、調子狂うじゃん」
顔が少し赤いのがバレないように俯いた。



その夜、麗は大人しく葵の腕枕で眠った。
「きっと、明日には戻っとるよ」
と、葵の言葉を信じて。



「麗!!はよ起きてみ!!」
「あお…いさっ…ん?」
何気なく目を擦って下をみると昨日はワンピースだったTシャツがピッタリで太股が露出している。
「あ゛ーー!!!!戻っている!!!!!」
「と、いうわけでいたきます。」
「馬鹿っ!!これから、事務所だろ」
「麗、2度も生殺しはないだろ(泣)おーい…麗さん聞いてます?」
慌ただしく戒に麗は電話。
「戻ったよ!!!うん!!葵さん?あぁスルーで(笑)ん。わかった。葵さん、戒君が代わってだって」
『生殺し中の葵くん(笑)』
「なんや…」
『声恐いよ。まぁ、今日はちゃんと事務所来ようね』
「はい…」



「ほら、事務所行くよ〜」
「俺泣いていい?」
「今日は撮影だから駄目。でも、昨日はありがとう」
頬に触れるか触れないくらいの軽いキスをしてあげた。
珍しくキョトンとするから
「行くよっ」
って照れ隠しにスタスタ玄関に向かった。
あ、また葵さんはなんか言っているけどスルーで…(笑)




〜END〜


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