†紅蓮†

□えぇっ!?
1ページ/1ページ

「えっ!?…うそっ!!えぇっ!?」
鏡に映った自分を見て麗は叫んだ。



"今の俺の身長は120p位。正式な身長は177p。つまり、60p近く縮んでしまっていた。"
「ガキみたいじゃん、俺…てかガキじゃん…」
パジャマ代わりのスエットはブカブカ。上着はワンピースの様になっている。



「はぁ…レコーディングどーしよう…」
ダブダブの袖を捲ってとりあえず、戒に電話した。これじゃあ車運転出来ないし…。



プルプル…プルプル…



『もしもし。麗?どーしたの?寝坊した?』
『あのなぁ…俺は葵さんじゃねぇぞ』
『そうだね(笑)で、なんかあった?』
『背が縮んだ』
『はぃ!?』
『だから、背が縮んだのっ』
『マジ!?寝ぼけてない?』
『本当だってばっ!!身長120p位しかないし』
『ちっちゃっ(笑)』
『うっせぇーよ』
『まぁ、見てみたいし、迎えに行ってやるよ』
『わりぃな。よろしく』



「ふぅー」
改めて、自分の姿を見てみる。



"ルキよりちっちゃい…どーするよこれ…葵さんに笑われちゃう(泣)"



ピーンポーン



「戒っ!!」
パタパタ走って玄関に駆け寄った。
「ぷっ(笑)ガキじゃん!!麗ちゃん、ちっちゃいと可愛いね」
「うるせぇーよ!!」
「合う服ないと思ったから、持ってきたよ」
ニヤニヤしながら差し出す袋の中を恐る恐る見てみた。案の定…
「ワンピースじゃん…俺は男なんだけど?」
中に入っていたのは清楚な白いワンピース。
「まぁ、文句言わずに着てみ」
笑顔で言う戒に渋々、袋を受け取り寝室で着てみた。



「げっ!!サイズぴったり…」
「可愛いじゃん。俺の見立ていいね」
自画自賛している。
「これ、どうしたの?」
「あぁ、可愛い麗ちゃんのために買ってきたんだよ」
「わざわざ、そんな物買ってくんなっ!!」
「葵が喜ぶと思ったんだけどなぁ」
笑顔で戒が答えた。
「絶対そんな事ないっ!!笑われるだけだって!!今日、レコーディング行きたくない…」
枕に顔を埋める。
「だーめ。ほら、行くよ〜」
戒にお姫様抱っこされた。
「ちょっ!!下ろせよっ」
「レコーディング行く?」
「うっ……」
「じゃあ、下ろさない」
「わかった!!行くよ…」



戒の車の中
「そぅ、膨れっ面するなって」
「だって…」
「なんか、喋り方まで幼くなってない?」
「そんな事ないっ!!」



PSカンパニー事務所到着
「おはよっ!!2人とも早いね」
元気よく戒がドアを開けた。
「おはよーあれ?戒くんの隠し子?」
ルキが麗を見て言った。
「違うよ。麗だよ」
「えぇっ!?」
まじまじとれいたが俯いている麗を見る。
「本当だ。お前、目潤んでるぞ?」
「葵さんに会いたくない…こんな俺見られたくないよぉ」
「大丈夫だって。可愛いし」
ルキが麗の頭をなぜる。
"1番背が低いルキにっ…(泣)"



「おはよー!!」
葵がドアを開けて入ってくると同時に思わず戒の後ろに隠れた。
「あれ?麗は?」
"ヤバい…"
「ここだよ」
戒が麗を引っ張り出した。
「………麗!?えぇっ!?マジで?」
"葵さんに見られちゃったよぉ(泣)"
「麗?目潤んでない?」
「だって、こんな姿…葵さんに見られたくなかったもん」
そう行って事務所から逃げ出そうとドアに走っていった。
「おぃ!!麗。待てよ!!」
「っ…わぁっ!!」
「捕まえた〜」
本日、2回目のお姫様抱っこ。しかも葵に。
「なんで逃げるんや?」
「だって…」
「ん?」
「葵さんに笑われちゃうと思ったから…」
葵の首に腕をまわして消え入りそうな声で言った。
「なんや、そんな事か」
「そんな事ってっ!!」
「大丈夫だって。可愛いし。ところでお前、服どうしたんや?」
「戒が買ってきた」
「へぇー。ところで戒は麗が小さくなったの知ってたの?」
「あぁ。電話があったからね」
「なんで麗は俺に電話しなかったんや?」
少し眉間にシワを寄せて麗を見る。
「ごめんなさい…でもっ……葵さんに…」
「まぁ、許したってよ葵さん」
ルキが今にも泣き出しそうな麗を見て言った。
「麗、泣くぞ?」
れいたもフォローを入れた。
「しゃーないなぁ。今回だけやぞ?」
「ありがとう葵さん」
葵の首に抱き着いた。
「お前、本当っ可愛いなぁ」
「っ……!!ねぇ葵さん?」
「ん?」
「そろそろ下ろして?」
「だーめ。俺から逃げようとしたお仕置き」
「うぅ…」



今日1日は葵に抱っこされて過ごしましたとさ(笑)


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ