Original Story

□スパイシーBoy×キャンディGirl
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「どうしても買い物に行きたいなら伊織がくればいいだろ?」
「・・・はあ!?夏希、今の俺の状態をわかって言ってんのか?」
「わかってるぜ?伊織が女になった。だろ?」
「だったら買い物になんて「行けないわけじゃないだろ?歩けないわけでもないし。ただ女になったってだけなら買い物くらい行けるさ。」」
「だけどこんな可愛い伊織を外に出すなんて・・・」
「だいたい、クラスの奴に見つかったらどうすればいいんだよ?絶対見られたくねえのに。」
「だったら伊織は女物の服に着替えて買い物に行けばいい。」

あまりに突拍子もない話について行けなくなっていく。ようするに・・・。

「俺に女装しろってことか?」

おそるおそる尋ねてみると、兄貴は顔を青くし、夏希は何か企んでいるような笑みを見せた。・・・ってなんか夏希の顔を見てたら悪寒がしたぞ。

「だ、だだだだだダメだ!!伊織に女の子の服を着せるなんて!」

珍しく兄貴が俺に有益な発言をしてくれたことに驚き、そしてほんのちょっとだけ、心の中で感謝した。たまには、本当にたまに、いいこと言うじゃんか、兄貴。

「女物を着た伊織は・・・絶対可愛いのに!!そんな状態で買い物に行かせるなんて心「黙れ腐れ兄貴」ぐはあ!!」

頭の腐った発言をした兄貴を感謝した気持とともに床に沈める。・・・感謝なんてするんじゃなかった。
重いため息をついてから夏希を見ると楽しそうに顔を弛ませていた。・・・コイツ絶対面白がってるだろ。

「で、どうする?女物を着て俺と買い物に行くか?それとも買い物を諦めるか?」

にやにやしながら聞いてくる夏希にイラつきながらも必死にどちらが得か考える。いや、どっちが得かなんてとっくにわかってる。だけど・・・その選択をする勇気がでないでいる。プライドを取るか、家庭を取るか。

「早くしないと5時になるぞ?セールの卵が売り切れるんじゃないのか?」

必死で悩む俺を他所に夏希が笑いを含んだ声で問いかけてくる。コイツ、俺がどっちを選択したかわかってやがるな。
はあ、とため息をつき、覚悟を決める。どっちが大事かなんて、もう決まっているのだから。

「わかった。女装すればいいんだろ。でも、うちにある母さんの服は俺には小さすぎるぜ?どうすんだよ?」

いくら女になったとはいっても身長が変わったわけではない。女性の平均的な身長だった母さんの服が俺に着れるわけはない。・・・男としては低めな身長の俺でもな。
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