その他小説

□優しいその腕で望む
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「ねえボンゴレ」
人の部屋に勝手に入り込んで来て、あまつさえ俺の神聖なるベッドに腰掛けてるあいつを蹴り飛ばしたい衝動に駆られる。

でもダメだ!
だって中身はドロドロしてる骸でも、外見は可愛い綺麗な髑髏なんだから。
女の子は大切にしなくてはいけませんよ。と大人ランボが言っていたことが頭を霞める。そうだ女の子には優しくしなくちゃ。
たとえ中身がムカツク骸だったとしても!

「ねえ。ボンゴレ」

俺を呼ぶ声が再び聞こえる。
それを無視する度に、リボーンの教育でついてしまったフェミニスト精神が俺の良心をちくりと刺す。
落ち着け俺。髑髏の姿をした骸なのだ!
そんな俺の葛藤など露知らず、先ほどと同じ様な声で、同じ台詞を口にする。
「…なんだよ」
やたらと人の肩書きを連呼するので仕方なく返事をやると、少し驚いていた。
ああ、こいつは最初に比べて随分表情が軟らかになったな。と思う。
でもどうやらそれを理解できるのは俺だけのようで。
前に獄寺君に同じ様なことを言うと、訝しげな顔をされた。
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