01/05の日記

19:57
「俺」
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最初、買うつもりだったのは化粧品だった。
「チークくらいならいいかな」なんて見つめているうちに、「何やってるんだろ、俺」なんて思い始めた。
結局「メイクは二十歳になってから」なんてもっともらしいことを言ってほかのコーナーへ。
前髪とめる髪留めがほしくて行ってみたら、かわいらしいフラワークリップが目に入った。
再び葛藤。
じーっと見つめつつ、気に入った二つのクリップを手に持っていた。
本当に馬鹿だと思う。
俺なんてかわいくないし、そんないかにも「女の子」っていうもの似合うはずないのに。
なのに、ワンピースやらなにやら買ってきて、自己満足してる俺がいる。
調子に乗っただけなのかもしれない。
好きな奴に「かわいい」って言われたから、調子に乗ったのかもしれない。
結局手放せなくて買ってきてしまった。
家に帰ってきて、どうせだからってつけてみた。
……やっぱり、俺みたいな女がそんなもの似合うはずもなく。
ポニーテールくらいしかできないのに髪を伸ばしてる理由なんてほんのちっぽけな思いで。
「だったら髪を切ってしまおうか、じゃまだし」なんて思った。

何やってるんだ、俺。
わかっていたんだろう? 似合わないし、どうせただの自己満足にすぎないって。
しかも、自分さえ満足させてない。
「やっぱり似合わなかったな」って暗くなるだけなら、買わなければいい。見なければいい。
お前はどうやったってかわいい女の子になれるはずはない。
どうやったってお前は「おとこおんな」のままなんだから。


どうせ綺麗じゃないなら。
どうせかわいくないなら。
どうせなにやったってだめなら。
今まで買ったスカート、捨ててしまおうか。
今まで買ったかわいい系の髪留めやアクセ、全部捨ててしまおうか。

この髪、切ってしまおうか。

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