捧げ物

□200キリリク、甘楽へ 「獣耳話でギルオズ」
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「オズ様、鴉。もしよろしければ、一緒にお茶をしていきませんか?」


俺たちはあの女にそう言われて、紅茶を一杯もらった…それだけのはずだ。

それがどうして、こんな事に…



「うっわー!すごいや、これ!本当に生えてるよ!」
オズは目を輝かせて、シャロンとブレイクを見た。ブレイクは床の上で酸欠になって、ヒーヒー言っている。今までありがとう、ブレイク。頼むからそのままくたばってくれ。アーメン。

そして、オズが興奮しているのは…オズの頭にピョコンと生えた、金色の三角な耳だ。どうやら猫のようだ。尻尾まで生えている。

「ごめんなさいね、レインズワース家の…特製の砂糖を間違って入れてしまったみたいですわ。でも…お二人とも、すごくよくお似合いですわ。」

シャロンは満面の笑みを浮かべた。絶対にわざとだ。絶対に。もしわざとじゃなかったら、俺はこれから「ヘタレワカメ」って書いた看板を首から下げて暮らしてもいい。

「鴉は…犬…ですかねェ。いやー、たれ耳がここまで似合う貴族はそういませんヨ。」

「ヘタレだからな、ケケケ」
ブレイクの人形、後でヴィンスにあげよう。

「あ、そうだ!!ギル、用事があるから、ちょっとこっち来て!」

オズはニコニコ笑って、俺を手招きした。

「あ……ああ。」

あれは猫じゃない、マスターだと自分に言い聞かせながら、俺はオズの後についていった。
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