パンドラハーツ

□言えるはずがない!
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「レイムさんは、ブレイクに愛してるっておっしゃったことはありますの?」

シャロンの唐突過ぎる発言に、手に持っていた書類一山が丸々崩れ去った。

「へ!?な、はぇ!?おっしゃった事はご、ございませんですが…」

あまりに慌てすぎて変な言葉になってしまったレイムを見て、シャロンはおかしそうにクスクスと上品に笑った。

「あら、そうなんですか?たまにはブレイクに愛してるって言ってみてくださいね!男は不意討ちに弱いんですのよ!!本に書いてありましたもの!」

「は、はい…!!」

乙女モード全開で語り出したシャロンにレイムは若干怯えつつ返事をした。レイムの書類を拾うのを手伝うと、シャロンは優雅に去っていった。

『愛してる』
レイムは頭の中でその言葉を繰り返してみた。

たった四文字だ。


「私に言えるはずがない……。」
ギルバートと張り合えるレベルのヘタレなレイムである。好き、の二文字すら言えないのに……と、頭を抱えてため息をついた。
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