パンドラハーツ

□ハッピーハロウィン!
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レイムはある夜、パンドラ内の見回りをしていた。今日は何か特別な日だった気もするのだが…何だか思い出せない。
書類の締め切り?…違う。誰かの誕生日?……違う。
「一体何だったか……。」

昔、この時期に何かを楽しみにしていた記憶があるのだが……そう思いながら窓から月を見上げてみれば、綺麗な満月だった。
「綺麗だな…」
ガタッ!

「!?」

突然聞こえた物音に振り返れば、カボチャの顔と肌の青い不気味な人形がどアップで目に入った。

「ぎゃあぁ…っっ!!?」

思わず叫び声を上げようとしたら、カボチャに口を手で塞がれた。

「しー…。トリック・オア・トリート?レイムさん。」
「ざ、ザクスか?」

「あったりーvv」

カボチャをひょいっと外すと、見慣れた顔がニヤニヤと笑っている。そんな変な恋人をみて、やっと「あぁ、今日はハロウィンだったか…」と気付き、スッキリはしたものの、心臓はバクバク言っている。

「…お前ってやつは…危うく腰が抜けるかと……」
ブツブツと悪態をついていると、ブレイクがスッと手を差し出した。
「で?」

「は?」

「お菓子くれなきゃイタズラしちゃいマスヨ?」

ブレイクはニッコリと微笑んだ。途端に背筋にゾクッと冷たい何かを感じ、レイムは急いでポケットを探した。

「部屋にならあるから待ってろ!」

「嫌デス〜。5…4…3…2…」
「うわっ!?ちょっ…ま、待てザクス!」

「1…0!」

とっさに逃げようとしたレイムの腰を引き寄せると、ブレイクは軽いリップ音をたててキスをした。思わず拍子抜けしたレイムは少し安心しつつ、パチパチと目を瞬かせて首を傾げた。ブレイクがこの程度をイタズラというなんて珍しい…。いつもしている事なのに…。

「残りは私の部屋でvv」

「…そ、そういう事かああぁぁっ!!」

レイムの絶叫とブレイクの高笑いがパンドラに響き渡った。





[後書き]
ブレイクにとってハロウィンとは人生最高のイタズラをしても許される日なのではないか(笑)
この後の二人がどうなったか?……フフフ←
 

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