パンドラハーツ

□ずっとずーっと
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レイムはハァ…と深いため息をついて三十秒前に見たばかりの時計をチラリと見た。

今日はクリスマスだ。ブレイクに頼まれてバルマに土下座をしてやっと休みをもらった二日間。本来ならば、恋人であるブレイクと二人で過ごしているはずだった。…だが、レイムの部屋にいるのは部屋の持ち主のレイムだけである。

「仕方がないんだ…。諦めろレイム…。違法契約者を捕まえるんだから…クリスマスなんかよりも市民の平和を守るべきなんだから…」

レイムは自分にそう言いきかせたが、ドッと机に倒れ込んだ。趣味同然の仕事すらやる気にならない。

「ザクス…」

レイムは急な任務に出ていった恋人の名前を小さく呼んでみた。来るとは思っていなかった。違法契約者を探して捕まえるのには時間がかかる。一週間くらいかかる時だってあるのだ。

レイムは指先でイヤリングを弾いてみた。チリン…という軽くて心地よい音がした。
成人した時にブレイクにもらったものであるイヤリングは、口には出さないものの、レイムの一番の宝物となっている。

「寂しい…のか、私は。」

レイムの呟いた言葉がしんとした部屋に響いた。

「ザク…ス…ッ」

頬に伝った温かいものを確かめる気もせず、レイムはゆっくりと目を閉じた。
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