パンドラハーツ

□そんな顔しないで
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「(早く…早く会いたい…)」

ブレイクは自分が負った怪我の事などすっかり忘れて廊下を駆け抜け、一つの部屋の扉の前で止まった。

早く彼に会いたい

それしか頭になかった。ブレイクは深く深呼吸をすると、ゆっくりとノブを回した。

「レイム…さん?」

ベッドに横たわる、包帯でぐるぐる巻きにされたレイムに静かに呼び掛けた。眠っているなら休ませてあげた方がいい…と思っていたが、レイムは閉じていた目を眠たげに開いた。
思っていたよりも長めの明るい茶色の睫毛が揺れた。

「ザクス…?ザクスか?」

「良かった…。」

ブレイクは瞼が熱くなる感覚を無理やり押さえつけ、ベッドの側に寄った。

「全く…心配かけないで下さいヨ。」

「ザクっ……!」

「何やってるんデスカ!起きるなんて無理デス!ほら…大丈夫ですカラ。私はここにいますカラ!」

起き上がろうとして、胸の辺りのパジャマをぎゅっと苦しげに掴むレイムにブレイクは慌てて両肩を掴んでゆっくりとベッドに押し戻した。

「…すまない。」

「何がデスカ?」

「何の…役にも立てなかった。それに…ザクスには能力の事も秘密にして…心配かけた……あと……。」

ブレイクはレイムの唇に自分の人差し指を当てた。
レイムの眼鏡のない、疲れたような瞳は今にも泣き出しそうだった。

「しー。今はゆっくり休んで下サイ。休むいい機会じゃないデスカ。お説教は治った後にじーっくりしますカラネ!」

ブレイクの言葉にレイムはクスッと笑った。

「ありがとう…ザクス。」

「何を今さら。お安い御用デスヨ。」

ブレイクはレイムの笑顔にやっと安心した。もしかしたらさっきまでのレイムと同じ顔をしていたのかもしれない。

「…眼鏡。割れちゃいマシタネ。」

ブレイクは枕元にあったボロボロの眼鏡を拾いあげた。

「…別にいい。ただの眼鏡だしな…。」

レイムはどこか寂しそうにぐしゃぐしゃになった眼鏡のフレームを見ていた。

「…じゃあ、こうしマショウ!私に心配かけた罰として!治った後に私と一緒に私が選んだ眼鏡を買いに行きマショウ!」

「え、そんな…ザクスに余計に迷惑…」

「迷惑なんかじゃありマセン!」

ブレイクはレイムの額と自分の額をくっつけた。

「だから、そんな顔しないで。レイム。」

「…うるさい。」

ブレイクはクスッと笑った。

「さっきのお返しデスカラ。」

レイムの表情がふんわりと柔らかくなった。








[後書き]
山梨落ち梨意味梨!←サーセン(笑)
これこそある意味、真の801ッスね!管理人が書きたくなっただけです(笑)これから落ち込むんでしょうね…レイムさん…(涙)だがしかし!旦那が慰めればシリアスも一瞬にして萌え上がr…(殴)
サーセン(笑)

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