パンドラハーツ

□一番におはようを
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「…う……」

ある朝、レイムは寝苦しさに目をゆっくりと開いた。最近、パンドラで風邪が流行ってしまったため、レイムに押し付けられた仕事の量が前例かつてない程で溜まった疲労はマックス。会いたい人にも全然会えていない。睡眠時間くらいは邪魔されたくないのに…と思いつつ2、3回まばたきをしていると、いつも白い天井が見えるはずの視界に映ったのは恋人の顔だった。

「ヤッホー、レイムさん。」

「ひぎゃああぁ…っ!」

あまりの驚きに大声を上げかけたが、ブレイクに唇に人差し指を当てられた。

「しーっ…まだ朝なんですカラ、お静かに〜レイムさん。」

「ざ、ザクス!なんでこんな朝から!」

ブレイクはレイムのベッドに腰かけていたが、クスクスと笑ってレイムに毛布の上からに覆い被さった。

「だって〜、レイムさん、最近忙しくて会えなかったから寂しかったんデスー。」

ブレイクの重みで起きられないレイムの頭をぐしゃぐしゃとかき回しながらブレイクは子供のように頬を膨らませてみせた。

「え…寂し…かった…?ザクス…も?…あ!違う!私は寂しくはなかった!!」

レイムはあわてて弁解をし始めた。
あまりの慌てようにブレイクはクスッと笑った。

「あ、正しく言うと、寂しそうなレイムさんの顔を見てたら私の寂しさが許容範囲を越しちゃいました…ってところですネ?」

レイムはさらに顔を赤らめた。

「あと、もう一つは」

ブレイクはレイムに軽くキスをした。

「疲れてる恋人に一番におはようを言ってあげたくてネ。」

「な…な…!朝っぱらからお前って奴は…!!」

「え、朝以降はいいんですカ?」

「そういう事じゃない!」


朝から怒鳴る事になっているレイムはまだ気付いていないが、その日のレイムの表情はこの1ヶ月で一番幸せそうな表情だった。









[後書き]
復活一発目がこれかよ!?俺!(涙)
…あれ、さりげなくツンデレイム発動さちまったぜ(笑)
 

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