ワンピース

□君と共にA
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「なぁ、マルコ〜。」

「なんだよい。」

風が肌寒くなってきて、それまで遊び呆けていたやつも、少なからず勉強をするようになってきた。俺だって例外じゃない。

「……俺、どこの高校にしようかな。」

「んー…………はぁ!?」

「うぉっ!ビックリした。」
「ビックリしたのはこっちだっての!!今!?まだ決めてねぇやつ初めて見たよい!」

マルコは俺の事を信じられない、とでも言いたそうに見た。あ、その目、何かゾクゾクする…ってバカ!俺!Mか!
「だって…俺の成績、微妙じゃねぇか。」

「まぁ、良くはないねい。」
「そこは嘘でも全然平気って言うもんだろ!?」

マルコは寒そうにマフラーを口元まで引っ張りあげた。
…本当の事言うと、行きたい学校はある。マルコと同じ学校だ。
変だとは思うけど…俺は小学生くらいから、ずっと…マルコの事が好きだ。
オヤジ率いる『家族』の一員だとか、親友だとか、そういうのじゃなくて…恋愛感情でだ。
自惚れかもしれないけど…多分、マルコも俺の事が好きなんじゃないかと思う。
まだ、告白はしてない。もし拒否されたらと思うと、怖くて出来ない。

だから……だからせめて、一緒にいたい。でも、俺はマルコ程頭良くないし。


「サッチ?」

ハッとして顔をあげると、俺より少し前の方にマルコが立っていて、不思議そうに俺を見ている。

「何考えてたんだよい。」

「…マルコと…同じ高校がいいな……って。」

マルコは眉根にしわを寄せて、ため息をついた。
なんでそこため息つくの!?

マルコは時計で時間を確認すると、俺のマフラーをグイッと引っ張った。

「ぐえっ!!」

「おら、時間ねぇんだ、さっさと行くよい!」

「どこにだよ!」
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