ワンピース
□そんな君が好き
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「マルコー。」
「ん?」
マルコの部屋に無理やり入り、その日の航海の記録やその日に破壊された修繕すべき船のパーツまとめなど…手を止める事なく黙々と仕事するマルコの背中を黙って眺めていたサッチが間延びした緊張感の全くない声でマルコを呼んだ。
「マルコって細いよなー。」
「…………。」
無言でマルコの持っていたペンがサッチの顔の真横の壁にドスッ!と突き刺さった。
「うっわ!!うぉい!危ねぇよ!!」
「…当たれば少しは頭に中身が入っただろい。インク分くらい。」
「ヒドッ!?俺の頭にはインク分くらいは入ってるわ!!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐサッチにため息をつき、マルコは椅子ごと回転してサッチと向かい合った。
「で、何いきなりふざけた事を言い出したんだよい。」
サッチは、マルコが話を振ってくれた事が嬉しかったのかニヤニヤと子供の頃から変わらない笑みを浮かべた。
「いや〜、ほら、俺たちの体型なんてガキの頃は大差なかっただろ?」
「…そうだねい。」
「だけどほら、今はこんなあるじゃん?」
サッチはマルコの必要最低限の筋肉しかついていない腕と鍛え上げられてムキムキ…と表現するのが正しそうな自分の腕を並べた。
マルコは露骨に嫌そうな顔をした。マルコは白ひげ海賊団の平均の中では比較的華奢な部類に入る。一方サッチは平均より少し上だ。マルコ本人がその事を最も気にしているのは言うまでもない。思春期辺りからグンッと差がついてしまったのだ。その時のサッチのどや顔といったら…。
「…戦闘スタイルの違いだろい。」
「まぁ、そうだな。でも身長も随分と…痛い!!」
マルコのチョップがサッチのリーゼントに直撃した。
「さっきから…何なんだよい、サッチ…。」
「そんな怒るなよー!」
「海賊に細いだとか、身長がどうだとか言うアホのせいだろい!」
マルコは腕組みをしてプイッと顔を背けた。サッチはリーゼントを直しながら思わず顔がにやけた。苛立った時の…いや、拗ねた時のマルコの子供の時からの癖だ。
「ちょっと思っただけだって!……それにさ、」
サッチはギュッと自分より小さめのマルコを抱き締めた。
油断していたマルコはサッチの腕の中にすっぽり収まった。
「サッ…!?」
「そんな、今のマルコが大好きだって続けようと思ったんだ。」
サッチの言葉にマルコは頬を赤らめた。
「マルコ、顔赤いな。」
「き、気のせいだろい!何を今更ふざけた事ぬかしてるんだよい!だったら書類出しやがれ!アホンダラ!」
「痛っ!痛っ!!足はやめろよマルコ!!」
モビーが見守ってきた昔からの愛は姿がすっかり変わった今も熱々のようだ。
[後書き]
何かにカッとなって書いた突発的な文(笑)
意味のない文章が書きたかったんです!←
オチは旅立ちました(笑)