捧げ物

□真逆の僕ら
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手元から聞こえた寝起きのためにいつもの数割増に低い低音に、視線を顔へと移せば、色素の薄い瞳と目が合った。

臨也は露骨に嫌そうな表情を浮かべて、髪の毛から手を離した。

「起きてたの?」

「今起きた。…で、何が逆だって?」

静雄は珍しく攻撃的でない目で臨也を見た。これでも、二人は恋人なのだ。まだキスはしていないが。

「俺とシズちゃんの事。髪の毛見て思ったの。真逆だなって。」

「…そうか?」

「そうだよ。それに…真逆のものってお互いに惹かれ合いやすいんだよ。マグネットみたいにね。」

「ふぅん」

別に興味無さそうに言う静雄から離れようと立ち上がりかけると、ぐいっと腰を引き寄せられた。

「うわっ…!」

バランスを崩して、地面にぶつかるのを覚悟した臨也は反射的に目をつぶったが、固いコンクリートの感触はいつまでたってもしなかった。その代わりに、唇にカサカサした柔らかい感触。うっすら目を開けると太陽の色が見えた。
「ん…っ」

唇を離すと、静雄はニヤリと笑った。

「俺とてめえは惹かれ合うんだろ?だったら離れんじゃねぇよ。」

「…ふん、望む所だよ。シズちゃん。…もう一回。」
静雄は臨也を抱き寄せ、空いている片方の手を臨也の後頭部に回すと再び唇を重ねた。やはりカサカサした、臨也のとは違う野性的なキスだった。




[後書き]
甘楽!一言言わせろ!ごめん!!(どーん)甘楽が好きな描写とかをあまり書けませんでした…orz
チキンでサーセン(笑)
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