ワンピース
□今も変わる事のない
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『おい。』
声をかけられて顔を上げると、ホーキンスがじっと見ていた。
『一緒に帰るんだろ?』
『ああ…そうだな。帰るか。』
『ドレーク。』
初めて名前を呼ばれ、驚いて振り返った俺は、もっと驚く事になった。
『ありがとう。』
ホーキンスはにっこりと笑って、そう言った。
その表情は、小さいときに読んだ絵本に出てくる天使そのものだった。
「…ク……レーク…ドレーク。」
はっとして向かいの席を見ると、高校生になったホーキンスが俺の方を真っ直ぐ見ていた。
あの時と変わらない瞳に思わず、クスッと笑ってしまった。ホーキンスが無表情のまま首を傾げた。
「どうした?」
「…いや、昔の事を思い出してな。…もうこんな時間だし、帰るか。」
ホーキンスは意外そうな顔をした。…いや、普通の人だったら分からない程の変化だろうが。鼻歌まじりに帰る支度をする俺を、ホーキンスが気味が悪いと言いたげにに見ていた。