ワンピース
□君と共にA
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マルコに引かれ…いや、引きずられて来たのは、正月に皆と来る神社。
「おら、サービスして100円やるよい。」
マルコは自分の財布を取り出して、俺に100円玉を押し付け、自分は5円玉を賽銭箱に放り込んだ。
「困った時の神頼みだよい。貸し一つ。忘れんなよい。」
両手を合わせて拝みながら、マルコは青い瞳を俺に向けた。
「え、何て願えばいいの!?」
「…そうか、お前はそこまでアホだったのかい。残念だよい。」
金返せと手を伸ばすマルコを華麗なステップで避けながら、俺はやっとマルコの言いたいことに気付いて、100円をバスケのシュートのように入れた。
マルコが「うわ、中二病。」って言った気がしたけど、気にしない。
一つだけ訂正させて下さい。俺は中三です!
しばらく両手を合わせて、マルコを振り替えると、微かに笑っていた。夕日に照らされた金髪が光っている。
「んじゃ、行くかい。」
そう言って俺に背を向けたマルコの肩を、俺は思わず掴んだ。マルコは驚いたように俺を見上げた。
「マルコ!」
「な、どうした!?」
「俺が!俺が…高校、マルコと同じ所受かったら、俺と付き合ってくれないか!?」
マルコはポカン…と口を開けて俺見ていた。…ヤベ、勢いで言っちゃった。うわー…ベタ過ぎる展開にベタ過ぎるセリフやっちゃった…どうすんだ俺…どうすんだ!俺!!バカじゃん!
そんな事をぐるぐると考えていると、不意に頭にゴッという衝撃を食らった。
「だっ!?」
いきなりの衝撃に頭を押さえていると、マルコのため息がした。
「……受かったら、じゃねぇだろい。馬鹿サッチ。」
「えぇ?」
マルコの顔を見ると、その顔は真っ赤に染まっていた。……何、この子可愛い。俺は思わず口角が上がるのに気付きながらも、真面目な顔に戻そうとはしなかった。真面目な顔なんてした事ないけど。
「じゃあ―――……」