ワンピース
□視界に見えるのは?
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「ロー!!!!」
「うるせぇ。」
「ふぎゃっ!」
ローの家に入るなりに叫んだエースにローの枕が飛んだ。
「よ、トラファルガー!弱ってんな……ざまぁ!!日頃の行いが祟ったんだな!」
キッドは悪人面に悪そうな笑みを浮かべていた。子供が見たら泣くかも知れない。キッドは冷えぴたの貼られたローの額をペチペチと叩いた。ローはうざったそうにその手を払った。
「うるさい。用がねぇなら帰れ。」
「「だが断る!!」」
「は?」
エースは手に持っていたコンビニの袋を振った。
「どうせ、ローの事だからメシ食ってねぇだろうと思ってな!買ってきてやったぜ!」
「メシなら食ってる。頭に響くからデケェ声でしゃべ…!?おい!」
「おー、軽い軽い。」
ガンガンと鈍痛がする頭を押さえてブツブツと文句を言っていると、キッドに軽々と担がれた。
「病人は病人らしく寝てろ。エースは今の内にメシ作れ。」
「アイアイサー!!」 エースは袋をブンブンと回しながらキッチンへと消え、キッドは既に間取りを知っているため迷うことなくローの部屋に入ると、頭に響かないようにゆっくりと細い体をベッドに下ろし、そっと毛布をかけた。顔に合わず優しい動作にローはプイッと顔を背けた。こういう優しさにローは子供の頃から弱いのだ。
「キッドー!!すっげぇ!!キッチン最新式!」
「さっさと作れ!アホ!」
「キッド〜。お粥ってどう作るの〜?」
「馬鹿だろ!?お前作るって言ったじゃねえか!」
仕方ねぇなあ、と立ち上がりかけたキッドが「ん?」と振り返った。
「どうした、トラファルガー。」
「は?何が。」
「袖掴んでんじゃねぇか。」
ローはハッとして手を離した。無意識にキッドの袖を掴んでいたらしい。
「なんだ、寂しかったのかな?トラファルガー♪」
「リズムにのせて言うな、キモい。」
からかうようにニヤニヤと笑うキッドの視線から逃れようと、ローは毛布に潜り込んだ。
「エース〜。ロー君が寂しいらしいってよー。」
「え、マジで!?見たい!」
バタバタと走ってきたエースの顔に再び枕がヒットし、床にエースが沈んだ。