ブック(ハピツリ)

□出歯と臆病
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「あのね、」

目の前で楽しそうにお喋りする彼女につられて、僕は頬を緩めた。可愛いな、と素直に思う。みんなにちやほやされてるマドンナのギグルスよりも、美人で人気者のペチュニアよりフレイキーの方が何倍も可愛いのに。そう思ってしまう僕は病気なのだろうか。

「…あ、あのさトゥーシー」
「!な、なに?」
「…その、じっと見られると…恥ずかしい、な」
「あ、ごめん」
「…ううん!」

ああ、恥ずかしい。どうやら僕は無意識に彼女を凝視してたようだ。何だか変態臭い自分に吐き気を覚えた。

「なんでこっち見てたの?ボクの顔になにかついてる?」
「いや、可愛いなって思って」
「え?」
「あ、」

つい本音が漏れてしまった。ぼんっ、正にその効果音が相応しいだろう。顔を真っ赤に染めて俯く彼女を見て、僕も負けじと頬を染めた。


(バカ、意識しすぎ)

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