ブック(ハピツリ)

□軍人と潔癖
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「フリッピーくん!」
「あ、ペチュニアさん!」

行く宛もなく辺りをぶらぶらしていると、買い物袋を大量に抱えたフリッピーくんと出会った。

「重そう…私、手伝おうか?」
「いえ、大丈夫です」
「遠慮しないの!私ね、力には自信あるの」

そう言って強引に袋を奪い取る。うん、結構重い。彼はこんなに重たい袋を3つも運んでいたのか、つい感心してしまう。やっぱり男の人なんだなあと考えながら隣に居る彼に視線を移した。

「でも…僕とペチュニアさんの家って真逆じゃ…やっぱり悪いですよ…」
「大丈夫っ」
「?何でそこまで僕のために、」
「さあ?何ででしょうね」

くすりと意地悪く笑ってみせれば彼は困った顔をした後、深く考え込んでしまった。理由なんて考えればすぐ分かるじゃない。どこまでも鈍い彼に私は愛しさと、ほんの少しの焦れったさを覚えた。


(そろそろ気付いて、)

―ペチュニアさん?もしかして怒ってます…?
―別に?
―…何かすいません
―だーかーら!そうじゃなくって…
―?

(ああもう鈍すぎ!)

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