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□たまにはやさしくしてよね
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物音一つしない静かな部屋で突如響いたバイブ音に閉じていた瞳をハッと見開いた。画面に表示された名前は、私の期待を決して裏切らなかった。
ドキドキと高鳴る鼓動を無視して、彼から届いたメールに目を通す。

「…何だかそっけない文章」

クールな性格の彼が絵文字つきの可愛らしいメールを送ってくるなんて到底考えられないけど、文字だけで作られたシンプルなメールからは彼の気持ちが全くと言っていいほど読み取れない。それ故に不安になるのだ。

「何だかなー…」

すぐに返信する気にもなれず、私は持っていた携帯を静かに閉じた。
そういえば彼は私に対してそっけない気がする。この前のデートだって手すら繋いでくれなかったし、キスだなんて夢のまた夢だ。親友のギグルスは彼氏のカドルスに大事にされていて羨ましい。人目を気にせずいちゃいちゃ出来る素直な二人に私はいつしかジャラシーを感じるようになった。そしてそんな汚い自分が、益々嫌いになるのだ。

「…じゃあまた明日、オヤスミ――っと、」

不安を紛らすようにキラキラした絵文字をなるべくたくさん使用して送信ボタンを押した。
返ってきたメールは予想通りの「おやすみ」というそっけない文章。

「…ばか」





たまにはやさしくしてよね
(クールな貴方に惹かれたのは私だけど)
(あまり放っておくとどこかに行っちゃうからね!)





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素敵企画「Share」に提出させて頂きました

ペチュ→シフにみえてちゃんと両思いです。シフティは愛情表現が苦手な子だと可愛い…!

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