緋い刄と地獄の業火
□第五章 決戦
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走り続け、桜緒たちは赤い鳥居が連なる細長い道に差し掛かった。
空には果てしない闇が広がり、道の先は暗闇に満ちていて見えなかった。
道の横には何本もの蝋燭が立って道を煌々と照らし、鳥居は蝋燭によって発生した光に反射されて怪しく光っていた。
「……不気味だ」
蝋燭に目を向けた桜緒が呟いた。
「うわっ!」
桜緒の背後で走っていた一護が声をあげた。
桜緒と黒刀が振り向く。
桜緒の背後にいた一護は、道に尻餅をついていた。
「わ、悪ぃ……足、滑らしちまって……」
上目使いで一護は桜緒を見た。
「大丈夫か?」
桜緒が一護に手を差し伸ばす。
「あぁ、悪ぃな」
一護は桜緒の手を受け取り、それを支えにして立ち上がった。
「……行くぞ」
桜緒と一護のやり取りを見て、小さく笑いながら黒刀が言った。