Novel-bullet 2(CP)

□Calling Calling
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 携帯電話が震え、着信が来たことを知らせる。携帯を手に取り発信源を見れば、そこには大嫌いなあいつの名前。

「テメェ、電話なんかかけてくんじゃねぇよ!!」

 携帯の通話ボタンを押した矢先に、俺は電話をかけてきた相手――折原臨也に叫んでいた。

「酷いなぁ、シズちゃん。せっかく俺が電話をかけてあげたのに」

 電話越しに臨也が笑った。

「テメェの声なんか聞きたくもねぇんだよ!」

「それでも電話に出てくれる辺り、シズちゃんって優しいよねぇ」

 その臨也の言葉に、一瞬思考が停止した。

 そうだ。何で俺は、わざわざこいつからの電話に出たんだ。無視をすればいい事なのに、何で。

「そ……それは……!」

「……ふふ。シズちゃんかぁわいい」

 電話越しでも、声を聞くだけで臨也が笑っているのが分かった。



 それから、結局電話を切る気にもなれなくて。

 臨也とは珍しく他愛の無い雑談をしながら通話を続けていた。

 耳に届く臨也の声が、妙に心地よく感じた。


「じゃぁ、そろそろ切るね」

 やがて臨也が告げた。

「おぅ」

 俺も返事をする。

「あぁ、シズちゃん」

 再び臨也が口を開いた。



「愛してる」



 電話越しの声と、雑音の無い肉声と。二つの臨也の声が、俺の耳を刺激した。


「――!?」

 電話を握り締めて雑音の無い肉声が聞こえた背後の方に顔を向けると、そこには。


「やぁ。シズちゃんがあまりにも可愛かったから、ここまで来ちゃった」



 笑みを浮かべて俺の背後に立つ臨也の姿があった。





 

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