Novel-bullet 2(CP)
□sister
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目覚めたら、そこは知らない部屋だった。
部屋の壁にもたれる様に俺は座っていて、光が窓から差し込んでくるのを見ると夜は明けているようだが、カーテンは閉め切られて薄暗い。
まず、意識を失う前の自分の行動を思い出してみよう。
確か、バイクに乗って千景が家に遊びに来たんだ。それで強引ではあるが千景を家に泊めることになって、一緒に寝たところまでは覚えている……。
……千景?
そういえば、家具も何も無いこの部屋には、俺以外誰もいない。千景はどこにいるんだ……?
「千景!」
立ち上がり、目の前に見える扉まで向かおうとした、その時だった。
チャリ。
不意に、聞き覚えの無い金属音。
自分の足元から聞こえたその金属音に嫌な感覚を覚え、俺は足元を見た。
そして俺は気づいた。
俺の片足首に、どういう訳か足枷がついている事に。
「……は?」
思わず声を出していた。何で、俺がこんな何も無い部屋にいて、こんな足枷を付けられているのか。
しばらく足枷を凝視して硬直していると、不意に扉が開くようなガチャリ、という音がした。
反射的に扉の方を見ると、そこには……。
「よっ、京平」
……探していた、千景の姿があった。
「……どういう事だ?」
俺は千景に問い詰めた。
「どういうって……こういう事だよ。京平はそういえば初めてだったよな。俺の家に来るの」
千景の言葉で確信した。ここが、千景の家であるという事。そして、千景にも足枷がついていないのを見ると、俺に足枷を付けてこの部屋に入れたのは……。
「……お前が、俺をここに?」
「そうだけど?」
……あまりにもあっさりと、千景は言った。