Gift&Treasure-bullet
□海と砂浜と裸足の君
1ページ/3ページ
暑い。
とにかく暑い。
夏真っ盛りの今日この頃。暑さは増すばかりだが、少なくとも俺は平穏な日々を送っていた。
今日もまた、平穏な一日が過ぎようとしていた。
今日は週末だ。久しぶりに明日は虚退治に専念できるだろう。
そう思っていたが。
放課後。事件は起きた。
「なぁ、鏡夜!」
帰り支度をしていた俺に、啓吾が声をかけてきた。
「どうかしたか、啓吾」
「明日、せっかくの休みだし海行かねぇ? 一護とかも誘ってさ!」
啓吾はひどく楽しげに話した。
……そういえば休日に、クラスメイトと交流したことはなかった気がする。これが、交流するいい機会かもな。
「楽しそうだな。じゃあ行くよ」
「よっしゃ! 決まりだな」
啓吾がガッツポーズをとった。
「他には誰が海に行くんだ?」
俺が啓吾に聞いた。
「とりあえず水色だろ、後は一護、チャド……女子も誘うか。有沢と井上さん、朽木さん……黒崎もだな」
――つまり啓吾は、いつも行動を共にしているメンバーと海に向かうようだ。
……そして翌日。
燦々と太陽の光が降り注ぐ中、町から少し離れた所にある海岸に俺、一護、一華、朽木、啓吾、水色、茶渡くん、有沢さん、井上さんの九人は集まっていた。
「ほう! あれが海か……」
水平線を眺めて朽木が呟いた。朽木が着ている水着は、恐らく一華のものだろう。
「うし! 皆でビーチバレーやろうぜ!」
言い出したのは啓吾だった。
「ム……」
「いいね、やろうか」
「あたしもやる!」
「あたしも! 一華ちゃんと朽木さんは?」
「私もやるわ。ルキアも一緒にやりましょう」
「お、おう」
啓吾の言葉に賛同した一華、朽木、水色、茶渡くん、有沢さん、井上さんは、ビーチボールを持った啓吾に続いて砂浜に駆け出していった。