★薄桜鬼短編★【夢幻桜】

□初恋
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しんしんと雪が降る、そんな中で僅かな気配がした


僕は不思議に思って、そっと庭へ出る




桜の木の下で、その人を見つけた時、胸が とくん と鳴った




僕は彼女に吸い寄せられるように側へ近づく


目の前には有り得ない光景が広がっていた


春でもないのに、桜の花びらが敷き詰められていた


その中で横たわっている彼女は、とても儚げで今にも消えてしまいそう



目の前から消えて欲しくなくて僕は君へと手を伸ばし抱き上げた



その時、桜のはなびらが はらり と落ちた


まるで涙を一滴零したように―――――




君を、いつから好きだったかなんて判りきっていたこと




きっと、・・・・・初恋





初恋は実らないって本当かな



でも、初恋の相手が君で良かったよ


早く目を覚まして、君の瞳に僕だけを映して


僕は君だけを映すから




2011/03/10
 

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