光の差す道

□架連
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優しく撫でてくれる手。

「…架連?」

「陽?起きたのか?」

「やっぱり、架連だ」

虚ろな目が、架連の姿をとらえた。

陽は、熱で頭がぽーっとしたまま、話し続ける。

「俺ね、決めたんだ」

「何を?」

「架連が、一番好きだよ。架連に、決めたの」

「…………俺?マジで?」

架連は、信じられないと言いたげに陽を見る。

「ちょっと危険なところもあるけど、そういう所が俺は好き」

「…閉じ込めたいって言った所とか?」

「うん」

架連の冷たい手のひらに、熱い自分の頬を擦り付ける。

「俺、良いよ。架連になら、閉じ込められても良い」

キツく、強く、抱き締めた。

苦しい、でもその苦しさがちょうど良い。

架連に抱き締められているのだと、実感する。

「そんなこと言うと、本当にするぞ」

「良いよ?俺を架連のものにしてっ…ん…」

陽の言葉は、架連の激しい口づけによって塞がれた。

「バカか。図書室の時みたいに終われねぇぞ」

「…良いのに、それでも」

ウルッとした眼が、架連を見上げる。

「だから、そんな顔するなって」

「好き?俺のこと…」

「当たり前だろ」

熱で火照っている体に、潤んでいる瞳。

陽のそれは、架連にとっては、苦しいものだった。


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