リボーン創作小説
□夢の中で。
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大丈夫かな。
傷、ないかな。
無事、なのかな。
会いたい……。
「また、来たんですか。沢田綱吉」
声が聞こえて、ツナはおもむろに目を開ける。また来たのか、と声の主を見る。
「……うん。また来たよ、骸」
ツナは夜になると目を閉じて、夢の世界へ行く。そしていつも、その夢の中には六道骸がいる。
「髪、伸びた?」
ツナはゆっくりと近付いて、骸の髪に触れる。
「何言ってるんですか。僕は精神体です。イメージが変わらないのだから、気のせいですよ」
「……何回も聞いたよ、その説明」
何回も聞いて分かっているけれど、聞かずにはいられない。本物がいるなら、骸は今無事なのだと確認出来るから。
「……骸、元気?」
「毎日聞くんですか?その質問」
「心配なんだ」
「馬鹿げてますね。君の体を乗っ取ろうとしている僕の心配なんて」
骸は鼻で笑う。
「でも、俺のファミリーだ」
今はクロームが守護者として一緒に修行しているけれど、骸も同じ霧の守護者だ。
「……ファミリーなんて止めて欲しいですね。あくまで僕にとってそれは手段に過ぎません」
「俺を乗っ取るって目的の為の?」
「そうです」
ツナは骸に抱き付いた。
「急に何するんですか」
骸は多少慌てる。そんな骸が見れたことを嬉しく思いながら、ツナは強く抱き締めた。
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