幼なじみ
□一水の行方 上
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「あー苛々する」
「どうかした?架連」
「陽だよ。最近怜と一緒にいる時間が長過ぎる」
架連は舌打ちと一緒に不満を零す。
「これからもああだったら、俺確実にキレる」
「うわ、物騒な言葉」
目を鋭くさせる架連に優夜は茶化す。
「お前もさ、話って何?」
「う〜ん。ちょっと気になることがあって」
「なんだよ」
「陽さ、怜によそよそしいと思わない?今日だけど」
朝からの怜に対しての行動や言動。
それがいつもと何か違っていた。
「いや、分かんなかった」
「あ、ゴメン。架連は相手の変化には鈍かったよね。言う相手間違えた」
「煩ぇ!てか、それなら、さっき聞けばよかっただろ」
架連は、指摘されてムカツキながらも言う。
「だから、怜のいる所や、こんな大勢いる所で陽が言えるわけないでしょ?デリカシーないね、架連は」
「煩ぇ!」
バカにされてる感じが嫌だ。
架連は優夜の頭を思い切り叩いて、八つ当たりをした。
「なんで連いて来てんの、怜」
「お前が何も言わないからだ」
「何について?」
廊下で、怜は陽を引き止める。
振り返った陽を、怜は壁に押しよせた。
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