光の差す道

□架連
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「それなのに、してくれないんだ」

「だから、そんな顔すんなって」

「ゴメン。苛めすぎたね」

口角だけ上げて、陽は笑う。

「…は?」

「架連は、優しいもんね」

「……お前だけにはな」

「俺が元気になったら、ちゃんと架連のものにしてくれる?」

熱の影響からか、陽は架連にとっては地獄のような殺し文句を言う。

「……あぁ、元気になったらな」

本当はこの場で…。

その言葉を架連は押し殺す。

「じゃあさ、キスして?」

両腕を伸ばして、陽はねだる。

その頼みを、架連が断るわけがない。

「…んっ…ぅ…」

口腔の中に、架連の舌が入ってくる。

息が苦しい。

それでも、良い。

そんなことを思ってたのに、架連はピタリと止めた。

「も、良いか?」

「……ダメ」

なんで勝手に止めるの?

「ダメって……」

「まだ……してよ」

「煽るなよ、バカ」

別に煽ってないのに。

陽は架連にキスを与えられながら思う。

今まで、あまりこういう行為に興味なかった。

でも、架連が相手だったら違う。

「もっと……」

欲しがる。

架連からの愛情を。

「ったく…。こっちの身にもなってくれ」

「んぅ」

架連は離して、ベッドに寝かせる。

「なんで?」

「本当に、俺の理性の限界が近いから」

「架連…」

「言っただろ?」

架連は触れるだけのキスを陽の額に落とした。


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