光の差す道
□架連
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「俺は、好きな奴には優しいんだ」
「だから?」
「無茶をさせたくない」
「別に良いのに」
陽は服の袖をギュッと掴む。
「元気になったら、抱いてやるから」
「……本当?」
「陽が満足するまで何度もな」
耳元で言われて、くすぐったい。
でも、嬉しかった。
「じゃあ、待ってるね」
同じように、耳元で言う。
「おやすみ、架連」
そしてすぐに、糸の切れた人形のように眠った。
「最後まで俺を煽りやがって……」
陽の柔らかい髪を撫でる。
「好きだ、陽」
「ん…俺…も」
起きたのかと思い、陽を見た。しかし、陽は寝返りを打っただけで起きてはいなかった。
寝言だったらしい。
「敵わないよ、お前には」
架連が、微笑した。
やっと、手に入れた。
もう、手放さない。
俺の腕の中に閉じ込めて、出してやらない。
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