リボーン創作小説
□代わりのキミ
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「……雲雀、さん」
叩かれる力は、あまりにも弱い。
本当に弱い、群れてる草食動物の君に、こんなにも乱される自分に――苛々する。
「……これ以上君に構ってもつまらないな」
雲雀はツナを解放するが、ツナは逃げない。
「雲雀さん……」
「なに」
早く行きなよ。
これ以上、僕に君を引き止める理由ないから。
「何かから、逃げてませんか?」
ツナを置いて去ろうとした雲雀を、ツナは服を掴み引き止める。
「逃げる?僕が?何言ってんの、君。――咬み殺すよ」
トンファーを構えるが、ツナは動じない。
「咬み殺されるのは嫌ですけど……雲雀さんが辛そうなのはもっと嫌です」
「……」
「俺に出来る事なら、助けたいです」
逃げる?
違うよ、守ってるんだ。
助けたい?
原因は、君なのに?
こんなにも僕を狂わしてるのは、君なのに?
「助けたい……ね」
「はい。大して役に立たないのは分かってるんですけど……」
「じゃあ、助けてよ。沢田綱吉」
偽物のキミじゃなくて、本物の君を僕に頂戴。
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