銀魂二次
□新
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「公務執行妨害で逮捕して来やしたー」
誰だよ、大晦日の真夜中にそんな馬鹿なことした奴。
「どうもー」
「てめぇかよ!」
沖田が連れて来た奴に、思わず土方は空にしたばかりの灰皿を投げた。
「うわ、ちょっ、危ねぇな」
当たり前のように銀時に避けられて腹が立つ。
さっさと帰った沖田が開けっ放しにしていた戸の向こうに、大きな音を立てて灰皿が落ちた。
「避けんな、当たれ!」
「俺に死ねってか、てめぇ!」
「いっそ死ね!」
町中が大晦日だと浮かれ休んでいる真っ最中、何が嬉しくて悲しく仕事をしなければならないんだ。
ついでに、あのサボり魔の沖田が仕事をして来たのが気色悪い。昨日夜中に漁ってたので体調でも崩したんじゃないだろうか。
「俺はまだ生きなきゃならねぇんだよ」
「どうせ目が死んでんだから一緒だろうが。もう墓の中だろうが」
「死んだ魚の目は例えだっての。現に、今ちゃんとてめぇの顔も見えてんだ」
銀時に指を差されて言われた瞬間、パッと目が合った。
「っ」
直視されているが、土方は銀時を直視する勇気はない。
「……さっさと座れ。書類作るんだから」
恥ずかしくなって、土方は銀時に促す。
「……何照れてんの、お前」
薄暗い部屋の中、お互いの細かい表情なんて見えないはずだ。でも銀時に言われて、赤く染まっているかもしれない自分の顔が見られている気がする。
「……照れてねぇ。寝ぼけたこと言わずにさっさと座りやがれ」
土方は廊下に落ちた灰皿を取りに行き、戸を閉めた。
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