ツインズ

□双子と補佐
1ページ/5ページ


古い町並みが特徴の街に、文部両道で有名な男子高がある

そこに入ることは憧れで、その学校の生徒会に入ることは生徒からは羨望の対象だ。

教師からも、一目置かれる存在だ。

その中でも、絶大な人気を誇っている四人がいる。

「ちょっと先輩、仕事して下さいよ」

「あと少し休んだらな」

「兄さん、さっきもそれ言ってたよ」

「別にちょっとくらいサボっても良くない?」

「お前も、投票の集計手伝ってよ」

生徒会の投票が済んだばかりで、集計をしていた。

「どうせ俺達は変わらないだろ」

「そういう問題じゃありません。はい、これ」

「お、結果が出たか」

「放送室の許可は取ってあるので」

「講堂じゃなくて良いのか?」

全校生徒を集めるには、学校にある講堂が一番だ。

「生徒達の収集をするのは誰だと思ってるんですか」

「了解ー。じゃ、行ってくる」

生徒会室の扉をあけた瞬間、廊下から大きな声がした。

「あ、会長!結果が出たんですか?」

「おう。今から発表するからな」

生徒会長は、発表を公表するため放送室へ向かった。

「…相変わらず、あの人の人気は凄いよな」

「そこは尊敬するよ」

「兄さんだからね」

「俺達は確定でしょ」

『じゃ、発表するぞ』

放送が鳴った。

「台本通りに言ってくれるかな、先輩」

「無理でしょ」

放送は、会計、書記と役員を順に発表をしていく。

『じゃあ次、二年副会長』

「あ、そろそろだ。ま、俺達は決定でしょ」

「分からないだろ」

『一人目は、篠田悠(はるか)』

「ほらやっぱり」

さっきまで威張ったように座っていた悠が立ち上がり、ピースサインをした。

「よかったな」

「大丈夫だって、お前も変わらないに決まってる」

「そうかな……」

自信なさげに俯いた。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ