ツインズ

□心の底で…
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「なぁー、どうしよう、俺」

「はいはい。どうかしたの?」

悠は、あのあと直ぐに飛鳥を探した。

そして今、飛鳥と食堂の机を挟んで座っていた。

「仕事は?」

「今、休憩中ー」

「じゃあ、澪先輩は?」

「そのことは、今禁句ー」

「相談する気がないなら、俺どっか行くよ」

席を立つ素振りを見せる飛鳥を悠は止める。

「言うから、だから行くなって」

でも、相談したいって言ってないのに何で分かったのだろう。

ただ、一緒にご飯でも食べないかって誘っただけなのに。
流石、小さい頃から一緒の従兄弟だな。

「澪先輩に何か言ったの?」

飛鳥は頬杖をつく。

悠も、うつ伏せからちゃんと座り直した。

「てか、今まで言わないようにしてた事、言ってしまった」

「…例えば?」

ちゃんと理解出来ていない顔で問う。

「どうして冗談ぽくいつも言うんだって指摘されたんだ」

拒絶されたくなかったから。

一目見て分かったんだ。

好きだって気付いたのと同時に。

この人には何かあるって。

真剣に伝えたらダメだって、直感的に思った。

今となっては、それが正しかったと思う。

「敢えてあんな風に言ってて、指摘されて、バラしたってこと?」

飛鳥は簡潔にまとめた。

「で?その後に悠、何かしたでしょ」

「…あたり」

「何したの?」

説明が楽。

お互いの言いたいことが、手に取るように分かる。

立ち入ってはダメなラインが解るから、喧嘩になる事も滅多にない。
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