リボーン創作小説

□少し遅れたハロウィン
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朝、いつも通りにツナの所へ迎えに行こうと家を出た獄寺。
玄関の扉を開けた瞬間。
「トリック・オア・トリート」
獄寺の行動のすべてが止まった。
「なんで?」
玄関の前に、学ラン姿の雲雀が無愛想に立っていた。
しかも、何かくれ、という手をして。
「お菓子くれないの?」
「いやいや、だってもう過ぎてるし」
そもそも、ハロウィンの存在なんて忘れていた。
「僕はそんな物に縛られないから」
「だって、家は?」
誰にも教えてないのに。
十代目でさえも。
「風紀委員長だから」
…理由になってない。
「そんな事より、お菓子は?ないの?」
「あるわけねぇだろ、雲雀」
獄寺は自分の恋人に向かって、優しく言った。
「イタズラするよ」
「遅刻するから」
いつものからかいだと思い、受け流す。
「…ふぅん」
意味深な言い方をした。
「雲雀?」
「君は僕の何?」
腕を組み、鋭い目でこちらを見る。
偉そうなのに腹が立たないのは、元々持っているオーラのおかげだろう。
「何って……」
改めて聞かれたら、恥ずかしい。
「隼人」
早く言えといわんばかりに名前を呼ばれる。
獄寺は自棄になって言った。
「恋人だろ!」
「良く出来ました」
言い方が子供に言うみたいでムカつく。
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