蓮華学園高等部

□交流会
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――交流会の三日前



「泊まりなんですか?」

「そう、泊まり」

生徒会室で志乃の驚きの声を上げたが、それとは対照的に、西園寺は書類に向かって普通に言う。

「全員知ってるから、てっきり志乃にも伝わってると思ってたんだけど………伝わってなかったみたいだな」

「……そうですよ」

志乃は深く溜息をついた。志乃の周りにいる時守、安藤、神木と五十嵐は、西園寺と同じように落ち着いている。

「……みんな知ってたのか?」

志乃が聞けば、四人は仲良く同時に頷いた。

「教えてくれよ」

「ごめん、志乃。知ってるかと思った……」

志乃の嘆きに、神木は素早く謝り項垂れる。

「いや、瞬先輩を責めてる訳じゃないんですけど……」


でも、四人もいて誰からも言ってもらえないのは、ちょっと悲しいだろ。確率的にも高いし。


「俺はハチ公が伝えたかと思った」

五十嵐は偉そうにふんぞり返っている。


なんで自慢気なんだよ、恭介先輩。


「えー、俺ですか?俺はこいつが言ったかと思ったんだよ」

安藤は時守を指差す。どうやら時守を“遊び人”と呼ぶのは止めたらしいが、人に指差すのはいただけない。「止めろ」と志乃は安藤の手を降ろさせる。

「は?俺だって、ハチ公って呼ばれてる程だから安藤が言ってるかと思ったんだよ」

「羨ましいくらいに志乃とずっと一緒にいるのは時守だろ。言う機会が多いのはお前でしょ」

「てめぇだって、しょっちゅう会いに来てるだろ」

「寮の部屋も一緒だろ、お前」

「それは俺の頭が良いからだ」

時守と安藤のすっかり打ち解けた様子の口喧嘩を聞いていた志乃だが、終わりが見えない気がした。


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