幼なじみ

□一水の行方 下
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翌日、優夜は学校を休んだ。


陽はメールを送ってみたけど、理由が分からなかった。

架連と怜も、体調不良としか聞いていないらしい。

その日はずっと、陽は優夜のことばかり考えた。

昨日、話したい事があるって言ってた。

もしかして、その事?

でもそれなら、メールの返信が来ても良いはず。

病気?

いや…。そんなの昨日は分からなかった。

家族に何かあった?

でもそれなら学校で大騒ぎの筈。

じゃあなんで休んだだろう。
真面目なのに。

仮病とか使わないタイプなのに。


その考えの繰り返しだった。

すると放課後に、架連と怜が教室に来た。

「ちょっと、二人で来られたら目立つんだけど…」

なんか、圧巻って感じ。

圧倒される。

でも、周りの騒ぎとは対照的に二人の表情は真剣だ。

「なぁ、優夜と連絡とれたか?」

「ううん。全然。二人もなの?」

「あぁ、全くだ」

沈黙が流れる。

こんな事、ずっと一緒で始めてだった。

必ず誰かには連絡があった。

家出とか、喧嘩とか。

絶対誰かが仲裁として入れる余地があった。

なのに、今回は何も出来ない。

早退してでも行けないのは、この騒ぎ。

前は怜が早退して、今回は優夜が休み。

それに続いて架連と怜がまた早退ってなると大事になる。

そして、肝心なのは、優夜の居所が分からないこと。

家にいるという確証がない。


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