好きな人

□〜進展〜
1ページ/15ページ



あの日、吉瀬が言った通りに、数日して吉瀬が瑠のバイト先のコンビニへやってきた。

「あ、いらっしゃいませ」

「こんばんわ」

瑠のバイトが始まってすぐの時間帯。

もしかして、わざわざ来てくれたのだろうか。

でも、バイトの入る時間を言ってはないから偶然か。

なんだか、そんな偶然も瑠にとっては嬉しいものだった。

「これ、ください」

「はい、お預かりします」

初めて会った時よりも、落ち着いて対応出来る。

「二回目だね」

「あ、はい。そうですね」

作業をしながら、吉瀬と会話をする。

「前は、ちょっと急だったから、なんだか申し訳なかったね」

「いえ、そんなのは」

むしろ、気になっていたから話せて嬉しかった。

その上、ちゃんとこうして二回目が訪れた。

「あ、おつりです」

「あぁ、ありがとう」

吉瀬は、受け取ったお釣りをしまわないまま、しばし止まる。

幸い、人は少ない為影響はないから構わないが。

「あの?」

「…佐藤君っていうのかな?」

「あ、はい」

吉瀬は、制服についている名札を見ながら聞く。


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ