好きな人
□〜進展〜
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あの日、吉瀬が言った通りに、数日して吉瀬が瑠のバイト先のコンビニへやってきた。
「あ、いらっしゃいませ」
「こんばんわ」
瑠のバイトが始まってすぐの時間帯。
もしかして、わざわざ来てくれたのだろうか。
でも、バイトの入る時間を言ってはないから偶然か。
なんだか、そんな偶然も瑠にとっては嬉しいものだった。
「これ、ください」
「はい、お預かりします」
初めて会った時よりも、落ち着いて対応出来る。
「二回目だね」
「あ、はい。そうですね」
作業をしながら、吉瀬と会話をする。
「前は、ちょっと急だったから、なんだか申し訳なかったね」
「いえ、そんなのは」
むしろ、気になっていたから話せて嬉しかった。
その上、ちゃんとこうして二回目が訪れた。
「あ、おつりです」
「あぁ、ありがとう」
吉瀬は、受け取ったお釣りをしまわないまま、しばし止まる。
幸い、人は少ない為影響はないから構わないが。
「あの?」
「…佐藤君っていうのかな?」
「あ、はい」
吉瀬は、制服についている名札を見ながら聞く。
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