ツインズ

□双子と補佐
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『二人目の二年副会長の発表するぞ』

「ほら、お前だよ」

「だから、分からないって…」

『二人目、須藤飛鳥(あすか)』

外の歓声が上がった。

「ほら、俺の言った通りだろ。と言うことで、また一年間仕事を頼んだ!」

「最低だな、お前」

背中を叩く悠に悪態をつく。

「でもまぁ、そう言うことなので、また一年間よろしくお願いします」

飛鳥は礼儀正しく礼をした。

「いや、俺も分からないからね」

「先輩だって確実だってー」

「それは俺も悠と同意見です」

『じゃあ遂に、三年副会長の発表だ!』

「買いかぶりすぎだ…」

『俺の双子で大事な片割れの澪(みお)だ』

「フルネームですらないし、兄さん」

「ほらみろ」

「じゃ、澪先輩。改めて、よろしくお願いします」

飛鳥は澪に握手を求めた。

「こちらこそ」

「また澪先輩と一緒だー」

「うるさい、近寄るな」

「俺、まだ何もしてませんよ?」

両手を大きく広げて、悠は肩を落とす。

「する予定だっただろ」

『みんな待たせたな!いよいよ、生徒会長の発表だ!』

澪が握手に応えた時、放送と騒音にも似た歓声が響いた。

「まあ、聞くまでもないよね」

悠の意見に、飛鳥と澪が同意した。

『生徒会長は、この俺だ!よろしくな』

「名前すら言ってないし、先輩」

「さすが理央先輩だよな。やる事が立派だ」

「理央先輩に注意しとかないと」

飛鳥はため息をついて放送を聞く。

「じゃあ飛鳥、ついでに生徒の熱気を押さえてくれない?」

「俺?」

「あと、理央先輩も迎えに行ってきてよ」

サラリと、大変な仕事を任せられた。



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