秘める恋

□本当の想い
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「何やってんの」


見上げれば、呆れた顔した達也。

唯人は、達也の家の、塀の前で膝を抱えて座っていた。


「あ、達也だ」

「あ、じゃねぇよ」


達也は唯人を立たせる。


「…いつから」

「一時間くらい前から」


唯人は僚と別れた後、すぐに達也の家に向かった。

まだ帰っていないと言われ、外で待っていたのだ。


「不審な目されてたぞ、お前」

「気にしないよ」

「気にしないってな…」

「だって、達也のことしか考えてないもん。それに、達也にだけ見てもらえたら、俺はそれで良いから」

立った時、服についた砂を払う。

その時の、唯人の言い方が余りにも自然で、達也は唯人を見る。

「すぐ帰らなかったの?」

「…ちょっとゆっくり帰ってた」

「そっか…」

「何しに来た。時間も結構遅いのに」

やっぱり、いつもより冷たい。

「まだ、時間いる?」

時間をくれと、達也は言った。

本当は日にちを置くべきかもしれない。

しかし、時間が経てば経つほど、関係が拗れると唯人は思った。

だからこうして、唯人は遅くなっても良いから達也に会いに来た。

「話をしに来たんだ。どうしても言わないといけないと思ったから」

「…話、ねぇ」

「誤解を解きたくて…」

「悪いけど、今は無理だわ」

達也は唯人の横を通り過ぎようとする。






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