秘める恋

□本当の想い
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「用件はそれだけ。じゃあ」


「ちょっと待ってください」

達也は、家に入るのを止めて僚を呼び止めた。


「何かあったんですか…?」

「俺の心配?らしくないな」

「らしくないのはどっちですか。貴方が、唯人を頼むなんて、どうかしたんですか」

「察しが良い相手、苦手だな」

「僚さんの好みは知りません」

だから早く言えと、無言で促す。


「海外への留学を薦められた。色々条件も良いし、了解した」

「了解したんですか…」

「時期も条件も良いからな」

「唯人に、言ってないんですか?」


唯人は、何も知らない。何も知らされていない。

普段の唯人を見ていれば、分かる。

「俺等は、親が仲良いから話は伝わる。俺から言わなくても良いだろ」

違う、そうじゃない。

誰から言われるかで、聞かされる方の受け取り方も変わる。

そんな事、僚が解らない訳がないだろう。

「…嫌だね、その目。こっちが言う以上の意図を汲み取ってる奴の目だ」


唯人は、鈍いから。

きっと、僚の意図には気付けないだろう。







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