秘める恋

□重なる想い
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たった二日。

でも、唯人にとってはとても長く感じられた二日間だった。


僚が旅立つ当日、唯人は僚と話すことの出来る時間をようやく手に入れた。


「……入るよ?」

「ごめんな、散らかってて」

唯人は僚の部屋に入って、黙ってしまった。

散らかってなどいなくて、むしろ余りにも綺麗だったから。

「本当に……行くんだね」

嫌と言うほど、実感してしまった。

「今日、な」

「なのに、時間取らせてゴメン」

「良いよ。母さんから、話は聞いてたから」

「時間、どれくらい?」

僚は、荷物を持っていない。もう、向こうに送ったのだろう。

「……一時間くらいかな」


短い。

充分に話す時間なんて、ないんだ。


「俺、色々考えてたんだ」

唯人は、部屋の扉に寄りかかった。

誰も入れたくなくて、二人だけにしておきたかった。

「兄さんに会えないのって、どんな感じなんだろうって」

僚と話せない間、一人でずっと自問自答しながら考えていた。

「寂しくて、寂しくて……。きっと辛いんだろうなって」

「唯人……」

「嫌だなって思った。長く続いたら耐えられないだろうなって」



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