秘める恋

□重なる想い
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たった二日でも、辛かった。

それが、一体何年続くのか。

「それは、いつも会っていたから想像出来ないという、耐えられないではないのか?」

「最初は、そうなのかと思った。でも、違ったんだ」

「違った?」

その答えが意外というように僚は聞き返した。

「兄さんがさ、俺を怖がらせたくないから帰れって言ったとき。ちょっとだけ、怖いって思った」

唯人が言った瞬間、僚は悲しそうにした。

「でも、良いのにって思った。今まで優しい兄さんしか見たことなかったけど、こんな兄さんでも良いって」

「……唯、人?」

「達也に聞かれたんだ。触って貰えなくなるのは悲しいかって。その時は何も答える事は出来なかったけど……。今なら、確信を持って言える」

唯人は、今まで下だった目線を上げた。

「兄さんに、もっと触れて欲しかった」

自分でも理解出来ない涙が流れた。

それを拭いながら、唯人は続ける。

「髪に触れてくれるだけで幸せで、そっと手を握って貰えただけでも幸せだった」

過去に、たったそれだけで舞い上がっていた自分。

でも、次第にそれだけでは満足しなくなっていた。


もっと、もっと、触れて欲しかった。



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