幼なじみ

□転校生
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「ほら、席につけ。朝礼を始めるぞ」

気怠い感じの担任が入ってきた。絶対ファッションとかどうでも良い感じのしわしわのジャケットを身につけている。

それなのに、結婚はしているらしい。

相手の奥さんの顔が見てみたいと、陽は担任を見る度に思う。すごく、失礼なこととは思うけど……。

「静かにしろよ。多分みんな知ってると思うけど、転校生を紹介する」

女子の声のボリュームが一気に上がった。

男子は興味のある奴とない奴で半分の状態。

「じゃあ、入ってこい」

担任の声と同時に、教室の扉が開かれた。

そして教室に入ってきた直後、教室が黄色い声とざわめきで満たされた。

あぁ、これはまたすごい奴が来たなと陽は思った。

「帰国子女の神谷(しんや)くんだ」

「こんにちわ。転校してきた、神谷千歳(しんや ちとせ)です」

爽やかなスマイルで、千歳は言った。

180センチ台の高い背。向こうにいたからか、金に近い髪の色。

でもそれがチャラく見えないのは、爽やかなオーラを放っているから。そして、ピンで前髪を上に上げているのが近寄りやすい印象を与えているから。顔も、これはカッコイイ部類に入るのは一目瞭然。

きっとすぐにファン倶楽部が出来そうな勢いで女子が騒ぎ始める。

男子は面白くない感じで千歳を品定めしている。


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