幼なじみ

□転校生
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そんな微妙なクラスの雰囲気もおかまいなく、千歳は自己紹介を始める。

「小さい頃にアメリカに行ったんですけど、それまではこの街に住んでたので、日本語はたぶん大丈夫です。中途半端な時期に越してきたんですが、これからよろしくお願いします」

きちんとした言葉と文章と表情。クラスの男子は、ある程度は納得したらしい。

女子はさらに「カッコイイ!」と騒いでいる。

でも陽は一人普通の目線で見ていた。

別に、カッコイイと思う。ただ、いつも見慣れているので、同じくらいにカッコイイ千歳にそこまで騒ぐこともないと思った。

そして、今でも三人に振り回されているので、これ以上の厄介事は嫌だなーっと思った。

だから正直、あまり関わりたくないと思った。

教室の後ろの真ん中らへんの席で、陽は頬杖をついて転校生の千歳をただじっと見ていた。

「うるさいぞ、お前ら。いいから、神谷と仲良くしてやれよ」

担任は教室のどこに座らせようかと目線で探し始めた。丁度後ろの席が空いていたらしい。それを担任が、千歳に言おうとした。


その時。


「あ、陽!!」

千歳の大きな声が、教室に響いた。

一斉に、クラスがどよめいた。

そして、一番驚いたのは陽だった。



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